甘える

行きたい。行きたくない。
相反する感情が鬩ぎ合う。


言わないで済むのなら、それは楽で。
だけどそれでも動けなくなるのは目に見えていて。
泣くのは、苦しくなるのは、切なくなるのは、
――後悔するのは、自分だ。


逃げ出したい、と思って。
だけど逃げ出すことはもう何度も繰り返した。
本当ならもっと前に言うべきだった。動けばよかった。
だけど、思ったのに動かずに逃げ出した。
だからもう、逃げちゃダメなんだろう。ダメなんだ。


たとえばこれで、
友達としてもさようならなんてことになったなら
私は泣くけど、それでも吐き出さなくちゃいけない。


今しか、ない。きっと、ない。


答えはきっと、わかってる。
想像通りの展開になるんだろう。
だってもう、時間が経ちすぎている。
以前の感情がどうであったかも私にはわからないけど、
それが本当で、真実で、真摯なものだったとしても、
もうずっとずっと、時間が経って、友達で、
だから続くとしたら、それは友達としてなんだろう。


近づくほどに、希望的な想像なんて出来なくて。
なのに希望的な結果を望んでしまう自分に気付く。


もう、そういった好きじゃないはずなのに。
なのに、触れてくれるのならあなたがいい、なんて。
バカみたいなことが浮かんでは消えていく。


好きでした。出会った瞬間から特別で。
友達として見れたことはまだなくて、
だけど振ってくれたなら、そう見れるようにするから。
だから、さよならは言わないで。お願いだから。


大好きな人と離れるのは、もう嫌だ。


なのに言うなんて自分から壊すようなまね。
それでも、ごめん。
甘えろって言ってくれた過去のあなたに甘えます。
愚痴でも何でも聞いてくれるって言った
現在のあなたに聞いてほしいと願います。


あの頃、ちゃんといえなかった気持ち。
好きでした。嫌いで、大嫌いで、好きでした。
あの頃くれたたくさんのもの、嬉しかった。
ありがとう。ありがとう。メールに泣いた日もあった。


単純な「好き」なら友達のあの子に対する
気持ちの方が強かったかもしれないけど、
それでもそういった意味の「好き」は
あなたに向かうものでした。


好きでした。ありがとう。
この二つを伝えたい。それだけは、伝えたい。


最初で最後の恋かもしれない。
なんて思うのは大げさかもしれないけど。
これから恋をしても、しなくても、
後悔しないでいられるように、なりたいんだ。